いとこの遺産、口約束でも相続できる?

■いとこの遺産、相続できる?

いとこが亡くなった場合、その遺産を相続できるのは、原則として法定相続人
である配偶者子、父母、兄弟姉妹です。いとこは法定相続人に該当しないため、
何もしなければ遺産を相続することはできません。

そこで、いとこが口約束でも遺産を相続するためには、以下の2つの方法が
あります。

・遺言を書いてもらう

・特別縁故者として認められる

■遺言を書いてもらう

遺言を残すことで、亡くなった人は、自分の財産を誰にどのように相続させ
たいかを自由に決めることができます。いとこに遺産を相続させたい場合は、
遺言で遺贈という方法で、いとこの名義で財産を渡すように指定します。

遺言には、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類があります。
自筆証書遺言は、自分で書くことができるため簡易な方法ですが、法定の
要件に沿わないと無効になる可能性があります。公正証書遺言は、公証人が
関与して作成する遺言方式で、記載や形式の不備を避けられるため、
確実な方法といえます。

■特別縁故者として認められる

遺言がない場合は、特別縁故者として認められれば、いとこの遺産を
受け取ることができます。

特別縁故者とは、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養
看護に努めた者、その他被相続人と特別の縁故があった者、などと規定
されています。

特別縁故者として認められるためには、以下の要件を満たす
必要があります。

・被相続人と生計を同じくしていたこと

・被相続人の療養看護に努めたこと

・被相続人と特別の縁故があったこと

これらの要件を満たすかどうかは、家庭裁判所が判断します。

そして、特別縁故者として認められるためには、以下の手続きが
必要です。

・相続財産管理人の選任を家庭裁判所に請求する

・相続人捜索の公告期間が満了してから3ヵ月以内に、家庭裁判所に
 特別縁故者として認めるよう申立をする

相続財産管理人の選任を請求してから、特別縁故者として
認められるまでには、最短でも1年ほどかかると考えられます。

■相続税額の2割加算

いとこは法定相続人ではないものの、基礎控除額を上回る遺産を
受け取った場合は相続税を申告する必要があります。

なお、被相続人の一親等の血族および配偶者以外が財産を受け
取った場合、相続税額の2割に相当する金額が加算されることに
なっており、いとこの相続もこの条件に該当するため、
留意しましょう。

■まとめ

いとこの財産を相続する際に、特別縁故者として受け取る方法は
上記のように最短でも1年ほどの時間がかかります。

また、特別縁故者として認められない可能性もありますので、
遺言をあらかじめ準備するほうが望ましいと思います。

いとこからの相続は、父母からの相続に比べると、ハードルが
高くなります。状況に応じて、専門家に相談することを
検討しましょう。

いとこの相続についてご不明な点等ございましたら、
当事務所までご相談下さい。

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