シニア層の再婚!押さえておきたいポイントとは?

私は今年で60歳になるのですが、5年前に夫が他界してからずっと一人暮らしです。子どももなく、老後をひとりで暮らすのは寂しいので、再婚できたらと考えているのですが…というご相談が増えております。

厚労省によれば、結婚した夫婦の4組に1組は再婚です。このうち50代以上の比率は夫が約3割、妻が約2割だと言われています。

[図表1]50代以上の再婚者の割合(出所)厚生労働省「令和4年 人口動態統計」

そんなとき、シニア層の再婚に関する講座を見つけました。そこで、講師から再婚前に押さえておきたいポイントについて教えていただきました。

財産や年金の状況を確認する

再婚する前に、お相手の財産や年金の状況を確認しておきましょう。貯蓄や収入、借金、生命保険の加入状況、住まいは持ち家か賃貸かなどです。

特に、年金はシニア層にとって重要な収入源です。国民年金と厚生年金の違いは大きく、それなりの金額の年金収入を希望するのであれば、厚生年金に加入していた人を選んだほうがいいでしょう。

また、相手が離婚していれば、年金分割をしているかどうかも確認しておきましょう。年金分割は婚姻期間の厚生年金を離婚後に夫婦で分け合う制度です。夫が妻に渡すことが多く、平均は月3万円ほどです。その分、離婚していた夫の年金の受給額は減ることになります。

介護のリスクも考慮する

再婚相手が年上の場合、介護が必要になる可能性も高くなります。持病がある場合は、事前に相手に伝えておかなければいけません。

また、介護が必要になった場合にどのような介護を望むか、事前に話し合って決めておく必要があります。介護費用は、在宅介護で毎月5万円、有料老人ホームなどの施設介護となれば、毎月15万円くらいかかるでしょう。

相続に関するトラブルを防ぐ

再婚相手の男性に前妻との子どもがいる場合、再婚後に男性が亡くなった場合、相続財産の半分は子どもが引き継ぐことになります。

前妻の子どもが、父親の財産すべてを相続するつもりでいたなら、大変ショッキングな状況となります。どの財産を、だれにいくら継がせるか、再婚する前に決めておかないと、再婚した妻と前妻の子どもがもめる可能性があります。

具体的な事例

以下に、シニア層の再婚で起こりうる具体的な事例をご紹介します。

事例1:年金の違いで生活に不安

Aさん(65歳)は、夫の他界後、厚生年金を受給していました。しかし、再婚相手が国民年金しか加入していないため、夫の死後、年金収入が減り、生活に不安を感じるようになりました。

事例2:介護費用で生活が苦しくなる

Bさん(60歳)は、再婚相手が要介護状態になりました。介護費用を負担するために、仕事を辞めて介護に専念することに。しかし、介護費用がかさみ、生活が苦しくなってきました。

事例3:相続でトラブルになる

Cさん(62歳)は、再婚相手との間に子どもができました。しかし、再婚相手が亡くなった後、前妻の子どもと相続争いになり、裁判沙汰になりました。

これらの事例のように、シニア層の再婚には、さまざまなリスクが伴います。再婚を検討する際には、これらのリスクを十分に理解した上で、慎重に判断することが大切です。

まとめ

シニア層の再婚には、さまざまな注意点があります。これらのポイントを押さえておけば、再婚後の不安も軽減されるでしょう。

また、再婚したあとの相続を円滑に進めるには、遺言書を書いておくことが不可欠です。遺言書があれば、自分の意志を明確に伝えることができ、相続争いを防ぐことができます。

再婚を検討している方は、ぜひ一度、遺言書の作成について専門家に相談してみてはいかがでしょうか?専門家から具体的なアドバイスを受けることで、より安心して再婚を進めることができます。

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