おひとり様こそ遺言書と遺言執行者を決めよう!自分の意志を実現するため
日本は世界に先駆けて超高齢社会に突入しました。それに伴い、一人暮らしの高齢者も増えています。
厚生労働省の調査によると、2022年時点で高齢者世帯のうち、一人暮らし世帯は50.6%を占めています。これは、2000年には31.7%だったことから、20年間で2倍以上に増加しています。
一人暮らしの高齢者は、経済的に困窮している人も少なくありません。また、孤独感や孤立感を抱えている人も多く、孤独死のリスクも高まっています。
■高齢者の経済的困窮
厚生労働省の調査によると、高齢者世帯の収入分布は、100万円未満が8.6%、200万円未満が18.7%、300万円未満が20.2%と、収入が少ない世帯も少なくありません。
年金が主な収入源となっている高齢者にとって、収入が少ないと生活が苦しくなります。特に、持ち家がなく、家賃を支払わなければならない場合、生活がさらに厳しくなります。
■高齢者の孤独感や孤立感
内閣府の調査によると、高齢者の40.0%が「自分には人との付き合いがないと感じることがある」と回答しています。また、22.4%が「自分は取り残されていると感じたことがある」と回答しています。
仕事を辞め、家族や友人と離れて暮らすようになると、社会との関わりが減り、孤独感や孤立感を抱きやすくなります。
■孤独死のリスク
孤独感や孤立感を抱えている高齢者は、孤独死のリスクが高まります。孤独死とは、誰にも看取られることなく亡くなることを指します。
東京都の資料によると、2019年の孤独死は5,554人。そのうち高齢者が7割を占めています。
孤独死は、亡くなった人の遺体が発見されるまでに18日ほどかかることが一般的です。亡くなってから2週間以上、誰にも気づかれずに一人で過ごすことになります。
■おひとり様だからこそ遺言書を作成するべき理由
一人暮らしの高齢者は、家族や親族と暮らしていないため、亡くなった後、遺産の相続や葬儀などの手続きを誰が行うのかが問題となります。
遺産の相続については、民法の規定に従って、法定相続人が相続人となります。しかし、法定相続人がいない場合や、遺産を特定の人や団体に相続(寄付)させたい場合などは、遺言書を作成することで、自分の意志を実現することができます。
また、葬儀については、葬儀社に依頼するのが一般的ですが、葬儀の費用や内容については、遺言書に記載しておくことで、亡くなったあとの死後事務の負担を軽減することができます。
■おひとり様こそ遺言執行者を決めておくべき理由
遺言書を作成しても、遺言書の内容を実行するためには、遺言執行者が必要となります。遺言執行者は、遺言書に記載された遺言の内容を、遺言者の意志に沿って実行する役割を担います。
おひとり様が遺言書を作成する場合、遺言執行者を決めておくことが大切です。遺言執行者を決めておかないと、遺言書の内容を実行する人が不在となり、遺言の内容が実現されない可能性があります。
■遺言執行者を選ぶ際のポイント
遺言執行者を選ぶ際のポイントは、以下の3つです。
・遺言者の意志を尊重してくれる人
・遺言書の内容を実行する能力がある人
・遺言書の内容を実行する時間と体力がある人
遺言者の意志を尊重してくれる人は、遺言書の内容に納得し、遺言者の意志を実現するために尽力してくれる人です。
遺言書の内容を実行する能力がある人は、遺言書の内容を実行するために必要な知識や経験、資格を持っている人です。
遺言書の内容を実行する時間と体力がある人は、遺言書の内容を実行するために必要な時間を確保でき、体力的にも無理のない人です。
■遺言書と遺言執行者を作成しておくことのメリット
遺言書と遺言執行者を作成しておくことのメリットは、以下の3つです。
・自分の意志を実現できる
・死後事務の負担を軽減できる
・トラブルを防ぐことができる
自分の意志を実現できることは、遺言書を作成する最大のメリットです。遺言書を作成することで、遺産の相続や葬儀などの手続きを、自分の意志に沿って行うことができます。
死後事務の負担を軽減できることも、遺言書を作成するメリットです。遺言書を作成することで、遺産の相続や葬儀などの手続きを遺族が代わりに行う必要がなくなります。
トラブルを防ぐことができることも、遺言書を作成するメリットです。遺言書を作成することで、遺産の相続や葬儀などの手続きに関するトラブルを防ぐことができます。
■まとめ
おひとり様だからこそ、遺言書を作成し、かつ遺言執行者を決めておくことが大切です。遺言書と遺言執行者を作成しておくことで、自分の意志を実現し、死後事務の負担を軽減し、トラブルを防ぐことができます。
おひとり様の遺言、遺言執行者についてご不明な点等ございましたら、当事務所にご相談下さい。