相続放棄!年金・未支給年金を受け取れるか?
借金癖のある夫が亡くなり、残された妻子は全員相続放棄することにしました。妻子は、夫の借金が残されていれば、その返済義務を負うことになります。そのため、相続放棄によって、夫の借金も含めた一切の財産を放棄し、相続人としての地位を失うことを選びました。
■相続放棄すると遺族年金はどうなる?
その後、夫の死亡届を出した年金事務所から、未支給年金と遺族年金を受け取れる旨を指摘されました。妻子は、相続放棄をすると、年金も受け取れなくなると思っていたため、驚きました。しかし、年金事務所の担当者から、未支給年金と遺族年金は相続財産ではなく、遺族の固有財産であるため、相続放棄をしても受け取れる旨の説明を受けました。
妻子は、促されるままに、未支給年金と遺族年金の受給手続きを行いました。しかし、あとから相続放棄の手続きに影響を及ぼさないか不安が募ります。
■相続放棄と遺族年金・未支給年金の関係
相続放棄とは、相続人となった者が、被相続人の財産を一切承継しない旨の意思表示を行う制度です。相続放棄をすると、被相続人の財産だけでなく、債務もすべて承継しないことになります。
一方、遺族年金とは、被保険者が死亡した際に、その遺族に支給される年金です。遺族年金は、被保険者の死亡によって遺族が経済的損失を被ることを防止するために、社会保障制度として設けられています。
未支給年金とは、被保険者が死亡した後に、まだ支給されていない年金のことです。未支給年金は、被保険者の死亡によって、その受給権が遺族に移ります。
■相続放棄と遺族年金、未支給年金の関係
相続放棄と遺族年金・未支給年金の関係は、以下のとおりです。
・遺族年金は、被保険者の死亡によって遺族が取得する権利であるため、相続財産には含まれません。
・未支給年金も、遺族の固有財産であるため、相続財産には含まれません。
したがって、相続放棄をしても、遺族年金や未支給年金を受け取ることができます。
■相続放棄と遺族年金・未支給年金の注意点
相続放棄をしても遺族年金や未支給年金を受け取ることはできますが、注意点がいくつかあります。
・相続放棄をする前に、遺族年金や未支給年金の受給要件を満たしているか確認しておきましょう。
・相続放棄をする前に、遺族年金や未支給年金の受給手続きをしておきましょう。
・相続放棄をした後でも、遺族年金や未支給年金の受給要件を満たしていれば、受給することができます。
■相続放棄をした妻子の場合
上記の説明から、相続放棄をした妻子は、未支給年金と遺族年金を受け取ることができます。また、相続放棄をした後でも、遺族年金の受給要件を満たしていれば、受給することができます。
妻子は、相続放棄をした後も、経済的に困窮しないために、遺族年金や未支給年金の受給を検討するとよいでしょう。
■まとめ
相続放棄を検討している方は、遺族年金や未支給年金の受給要件を満たしているか確認し、受給手続きをしておきましょう。また、相続放棄をした後でも、遺族年金の受給要件を満たしていれば、受給することができます。
相続放棄は、専門的な知識や手続きが必要となるため、専門家に相談することをおすすめします。
相続放棄についてご不明な点等ございましたら、当事務所にご相談下さい。