相続不動産の共有トラブル!その解決方法とは?
相続不動産の共有
50代、60代になると、親の不動産を相続する機会が増えてきます。親の不動産は、多くの場合、自宅や実家です。親と住んでいた場合、そのまま住み続けることも考えられますが、親と離れて暮らす場合や、親と同居していたとしても、将来的に住み続けたいかどうかはわかりません。
そのような場合、不動産を売却したり、他の兄弟姉妹と共有したりする選択肢が考えられます。しかし、共有不動産には、さまざまなリスクが潜んでいます。
■共有不動産のリスク
不動産を相続する際、共有にしないことの重要性が指摘されています。共有不動産になると、他の兄弟姉妹とのトラブルやリスクが生じる可能性があるためです。
仲のよい兄弟姉妹でも、いつまで続くかわかりません。また、その後相続が発生した場合、関係の薄い相続人(甥や姪等)が共有者になるかもしれません。
■具体的なリスク事例としては、以下のようなものが挙げられます。
・共有者が認知症になる
・共有者が行方不明になる
・共有状態が数世代放置されて相続が複雑化する
・共有不動産が空き家でゴミ屋敷になる
・外国に住む共有者で相談が難しい
・婚姻関係のない男女が共有する際の問題
・共有名義の土地を分割する際の価値の揉め
■登記義務化の影響
2024年4月1日から、共有不動産の登記が義務化されました。これまでは、共有不動産の登記は任意でしたが、今後は、共有不動産を所有している場合は、必ず登記する必要があります。
登記義務化により、共有不動産の所有者が明確になり、トラブルの防止につながることが期待されています。しかし、一方で、登記がトラブル再発の引き金となる可能性もあります。
例えば、過去に共有不動産の登記がされていなかった場合、登記を申請する際に、共有者全員の同意が必要になります。しかし、共有者の中に認知症の人や行方不明の人がいる場合、同意を得るのが難しくなります。
■遺産分割の難しさ
共有不動産を相続した場合、遺産分割協議によって共有状態を解消する必要があります。しかし、物理的な分割が難しい場合や、共有者の間で意見がまとまらない場合、遺産分割が難航する可能性があります。
また、仲の良い兄弟姉妹でも、お金の話になると感情的になり、話し合いがまとまらないケースも少なくありません。
■解決策
共有不動産のリスクを避け、解決策を見つけるためには、以下のことに注意が必要です。
・共有にしないこと
・共有不動産の場合は、早めに共有状態を解消すること
・共有状態を解消する際には、話し合いと専門家への相談を
共有不動産のリスクを理解し、適切な対策を講じることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
■まとめ
共有不動産相続は、トラブルとなるリスクが潜んでいるため、注意が必要です。50代、60代で親の不動産を相続する際には、共有不動産のリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
共有不動産のリスクを避けるために、以下の対策を検討してみてはいかがでしょうか。
・生前に親の不動産を単独名義にすること
・兄弟姉妹で話し合って、共有状態を解消すること
・自身の共有持ち分を売却する
・共有状態を解消する際には、専門家に相談すること
当事者同士、話し合いで解決する努力をしつつ、専門家にも相談して解決方法を探すことが大事です。
話し合いで解決できない場合、最終的には訴訟することになり、その結果、競売により、実売価格よりも安くなってしまうなど、大変不利益な形で不動産を手放すことになりかねません。
不動産の相続は、人生の大きな節目です。トラブルを避けるために、早めに対策を講じましょう。
共有不動産についてご不明な点等ございましたら、当事務所までご相談下さい。