【自筆証書遺言】遺言作成の必要性と、正しい書き方を解説‼

はじめに

遺言書とは、本人の死亡後、財産をどのように相続させるかを決めるための書面です。遺言書を作成しておくと、遺産の分割方法や、遺贈(特定の人に財産を渡すこと)などを、本人の意思で決めることができます。

遺言書がない場合、法定相続に従って相続が行われます。法定相続では、配偶者や子ども、親などが相続人となりますが、必ずしも本人の希望通りに財産が分割されるとは限りません。

そのため、遺言書を作成しておくことは、遺産の分割を円滑に進め、家族の争いを防ぐためにも重要です。

■遺言書の必要性

遺言書には、以下の2つの役割があります。

・本人の意思を尊重する
遺言書があれば、本人の意思を尊重した相続が可能となります。たとえば、特定の人に財産を相続させたい場合や、生前贈与をしたい場合などに、遺言書が役立ちます。

・遺産の分割を円滑に進める
遺言書があれば、遺産の分割を巡る家族の争いを防ぐことができます。法定相続では、相続人同士で遺産の分割について協議する必要がありますが、意見が合わず、争いに発展してしまうケースも少なくありません。遺言書があれば、このような争いを事前に防ぐことができます。

■遺言書の種類と選び方

遺言書には、大きく分けて「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。

〇自筆証書遺言

自筆証書遺言は、本人が自筆で作成する遺言書です。作成が簡単で、費用もかからないので、自分で作成したいという人に向いています。

ただし、自筆証書遺言には、以下の注意点があります。

・全文を自筆で書く必要がある
・日付や氏名、住所などを正確に記載する必要がある
・遺言書を保管する場所に注意する必要がある

〇公正証書遺言

公正証書遺言は、公証役場で公証人が作成する遺言書です。作成が難しいですが、遺言書の効力が確実に守られるというメリットがあります。

公正証書遺言の作成には、以下の費用がかかります。

・公証役場手数料
・証人2名の交通費・宿泊費
・遺言書の作成手順

■自筆証書遺言の具体的な作成手順は、以下のとおりです。

・法定相続人の確定
自身の出生から今現在までの戸籍を取り寄せ、法定相続人を確定します。法定相続説明図を作成しておくとよいでしょう。

・財産の洗い出しを行う
まずは、自分が所有している財産をすべて洗い出しましょう。不動産、預貯金、株式、保険、車など、あらゆる財産を把握しておくことが大切です。

・遺言の内容を検討する
財産の洗い出しが終わったら、遺言の内容を検討します。どのような財産を誰に相続させたいのか、また、生前贈与をしたいのかなどを決めましょう。

・遺言書の原案を作成する
遺言の内容が決まったら、遺言書の原案を作成します。遺言書のフォーマットや、必要な記載事項については、インターネットや書籍などで確認できます。

・遺言書に署名・押印する
遺言書の原案が完成したら、本人が署名・押印します。署名・押印は、必ず本人が行う必要があります。

・遺言書を保管する
遺言書は、安全な場所に保管しておきましょう。家族に知らせておくことも大切です。

■遺言書作成時の注意事項

遺言書を作成する場合、以下の点に注意が必要です。

遺言書には、以下の要件があります。

  • 本人が作成したものであること
  • 日付と氏名が記載されていること
  • 遺言の内容が明確であること

これらの要件を満たしていない遺言書は無効となります。

■遺言書作成時の注意事項

・遺留分について理解しておく必要がある
遺留分とは、法定相続人に対して最低限保障される相続分のことです。遺言書で遺留分を侵害する内容を記載した場合、遺留分侵害額請求によって、相続人から遺産を返還請求される可能性があります。

・家族とのコミュニケーションが重要
遺言書は、本人の意思を尊重するために作成するものですが、家族の同意を得ることも大切です。家族の理解と協力を得ることで、遺産の分割を円滑に進めることができます。

遺言書を作成しておけば、遺産分割協議の手間を省くことができます。ただし、遺言書に不備があると、遺産分割協議を行う必要が生じる場合もあります。

■家族とのコミュニケーション

遺言書を作成する際には、家族とのコミュニケーションが重要です。家族の意見を聞き、理解を得ることで、遺産の分割を円滑に進めることができます。

家族と話し合う際には、以下の点に注意しましょう。

遺言書を作成する目的を説明する
・遺言書の内容について説明する
・家族の意見を聞く
・家族の意見を尊重しながら、話し合いを進めましょう。

■専門家の相談の重要性

遺言書の作成は、法律の専門知識が必要となります。そのため、専門家に相談することをおすすめします。

専門家に相談することで、以下のメリットがあります。

遺言書の作成要件を満たす遺言書を作成できる
・遺留分について適切に配慮した遺言書を作成できる
・家族の同意を得るために必要なアドバイスを受けられる
・遺言書を作成する際には、専門家に相談することを検討しましょう。

■まとめ

遺言書は、本人の意思を尊重し、遺産の分割を円滑に進めるために重要な書面です。

遺言書を作成する場合、以下の点に注意しましょう。

遺言書の種類と選び方を理解する
・遺言書の作成手順を押さえる
・遺言書作成時の注意事項を理解する
・家族とのコミュニケーションを大切にする
・専門家に相談する

遺言書を作成することで、本人の希望通りに財産を相続させ、家族の争いを防ぐことができます。

遺言についてご不明な点等ございましたら、当事務所までご相談下さい。


※出典
政府広報オンライン 知っておきたい遺言書のこと 無効にならないための書き方、残し方(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202009/1.html)

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