空き家危機、実家の売却は早めの対策が重要!
■はじめに
空き家問題は、日本が抱える深刻な社会問題の一つです。2022年時点で全国の空き家は約846万戸と、総住宅数の13.6%を占めています。空き家が急増する背景には、少子高齢化や人口減少、都市部への人口集中など、さまざまな要因があります。
空き家が増えることで、さまざまな問題が生じます。例えば、
・老朽化した空き家が倒壊するリスク
・空き家が犯罪の温床となるリスク
・空き家が景観を損なうリスク
などが挙げられます。また、空き家を所有していると、固定資産税や都市計画税などの税金がかかることもあります。
■「負動産」のリスクとその原因
空き家問題がもたらすリスクの一つに、「負動産」化が挙げられます。負動産とは、売却しても費用を回収できない、または回収が難しい不動産のことです。空き家は、老朽化や荒廃によって価値が下がるため、売却が難しくなる可能性があります。
空き家が売れない原因としては、、、
・老朽化や荒廃による価値の下落
・立地や間取りなどの条件の悪さ
・相続などで所有者が複数いる
などが挙げられます。
■適切な準備が必要
日本全国に広がる空き家問題は深刻であり、将来的には「家を売りたくても売れない」時代が訪れると予測されています。今後ますます空き家が増加し、売却を希望する人々が競争激化する状況になると思われます。そのため、今後住む予定のない家は早めに売りに出すことが重要であり、少なくとも準備は即座に始めるべきです。
空き家を売却するためには、早めの準備が必要です。準備を怠ると、以下の問題が生じる可能性があります。
・売却の機会を逃す
・売却価格が下がる
・固定資産税や都市計画税などの税金の負担が増加する
早めに対策を打つことで、高値での売却も可能になります。
■親の意思確認と家の未来
空き家を売却するかどうかは、親の意思を尊重することが大切です。親が「実家を残したい」と考えている場合は、その思いを尊重して、売却しないという選択肢も検討しましょう。
また、遺言書を作成することで、親の意思を明確にすることができます。遺言書があれば、相続時に親の思いを尊重した話し合いがしやすくなります。
■相続時の問題と解決策
空き家は、相続時にトラブルの原因となることがあります。相続人全員の合意を得るのは難しいため、遺言書を作成しておくことが重要です。
遺言書には、空き家の売却や相続方法などを明記しておくとよいでしょう。また、相続税の対策も検討しておきましょう。
■隣地とのトラブル回避
土地の売却する前に、隣地所有者との境界線を明確にする必要があり、境界線の認識にずれがあると売却時にトラブルが生じやすいです。最近では境界標の設置が一般的だが、以前は塀やブロックで境界を示すことが一般的でした。境界線が曖昧なままだと、売却がスムーズに進まず、トラブルにつながる可能性が高いです。
境界線の確定は相続後にもできますが、できれば親が健在のうちに明確にしておくべきで、親世代同士であればで穏便にできることも、事情がわからない子世代同士だとお互い半信半疑になってしまうからです。また、隣が空き家であったり所有者が不明な場合もあるため、早めの対策が重要です。確定測量には費用がかかるが、これは親が負担するべきであり、境界線を確定しておいて、売却の際はその書類を提出するだけにしておくことが重要です。
■まとめ
空き家問題の対策は、早めに行うことが大切です。親の意思確認や遺言書の作成など、さまざまな準備をしておきましょう。また、隣地とのトラブルを回避するためにも、境界線の確定を検討しましょう。
空き家問題は、個人の問題だけでなく、地域社会の問題でもあります。一人ひとりが意識を高め、適切な対策を講じることで、空き家問題の解決に貢献しましょう。
空き家になっている実家についてご不明な点等ございましたら、当事務所までご相談下さい。