土地の相続に困ったら?相続した土地、どうする?今注目の「相続土地国庫帰属制度」とは?バブル期の負の遺産を国に返せる選択肢を分かりやすく解説!
■はじめに
土地を相続したものの、「どう活用すればいいかわからない」「負担ばかり増えて困っている」といったお悩みを抱えていませんか?特にバブル期の土地投資ブームで購入された原野や遠方の土地など、利用価値が低く売却先も見つからない「負動産」問題が深刻化しています。
この記事では、負動産問題の現状を整理し、解決策の一つである「相続土地国庫帰属制度」を分かりやすく解説します。また、制度利用において重要な「専門家への相談」の大切さについても触れていきます。
1.負動産問題とは
2.相続した土地の選択肢
3.相続土地国庫帰属制度の仕組み
4.相続土地国庫帰属制度と相続放棄の違い
5.制度利用の現状と課題
6.門家に相談することの重要性
7.まとめ
1.負動産問題とは
● バブル期に生まれた負の遺産
1980年代後半のバブル期には、土地の値上がりを期待した投資が活発でした。しかし、バブル崩壊後、多くの土地が利用価値を失い、「負動産」と化しています。特に原野商法で購入された土地は、都市部から遠く、売却や活用が難しいケースが多いです。
● 所有者の負担と社会的影響
固定資産税や管理費がかかる一方で、活用できない土地は所有者の大きな負担となります。さらに放置されることで土地が荒廃し、地域社会にも悪影響を与えています。
2.相続した土地の選択肢
相続した土地については、以下の選択肢があります。
自分で利用する:住む、または貸す。
売却する:立地や需要によっては売却できる可能性がある。
手放す:利用価値がない場合、相続土地国庫帰属制度や相続放棄を検討。
3.相続土地国庫帰属制度の仕組み
2023年4月に開始された「相続土地国庫帰属制度」は、相続や遺贈で取得した土地を一定の条件下で国に引き渡すことができる仕組みです。
● 制度の特徴
対象:相続や遺贈で取得した宅地、田畑、森林などの土地。
手続き:法務局への申請後、審査を経て土地を国に引き渡し。
費用:申請料:1筆あたり1万4000円。
負担金:1筆あたり約20万円(土地の種類や面積により変動)。
● 帰属できない土地
すべての土地が対象ではありません。例えば、以下の条件に該当する土地は帰属できません。
・境界が不明確な土地。
・有害物質で汚染された土地。
・管理に過大な費用がかかる土地。
4.相続土地国庫帰属制度と相続放棄の違い
相続放棄と国庫帰属制度は似ていますが、以下の点で異なります。
相続放棄:すべての財産(預貯金や株式を含む)を放棄。
国庫帰属制度:土地のみを選択的に手放せる。
相続放棄は土地以外の財産も失うため、慎重な判断が必要です。
5.制度利用の現状と課題
● 利用状況
2024年7月時点で、全国で約2500件の申請があり、帰属件数は667件に達しました。特に60代~80代の方が、管理負担の軽減を目的に利用しています。
● 政府の取り組み
法務局では、利用者を増やすために手引きの改訂やWEB相談の試験導入などを進めています。
6.門家に相談することの重要性
土地問題は法律や手続きが複雑であり、誤った判断をすると大きな損失を被る可能性があります。特に以下の場合、専門家のサポートが不可欠です:
土地の帰属が条件に該当するか不明な場合。
・相続全体のバランスを考えたアドバイスが必要な場合。
・国庫帰属制度と相続放棄のどちらを選択すべきか迷っている場合。
・土地問題や相続に関するお悩みは、専門家に相談することで最適な解決策が見つかります。
7.まとめ
「負動産」問題は深刻化していますが、相続土地国庫帰属制度の利用を含むさまざまな選択肢があります。制度利用には条件や費用の確認が必要であり、専門家のサポートを受けることで、より適切な対応が可能になります。
負動産問題や相続土地国庫帰属制度の利用をご検討の際は、ぜひ当事務所にご相談ください。経験豊富な専門家が、土地の現状や相続状況を詳しくヒアリングし、最適な解決策をご提案します。
お電話・対面・WEB相談にも対応しておりますので、遠方の方も安心してご相談ください。