相続人がいない相続財産とは?

相続人がいない相続財産とは、故人に相続人がいない場合に、残された財産のことです。
相続人は、故人の配偶者、子、親、兄弟姉妹などが該当します。

■相続人がいない場合の財産の行方

相続人がいない場合、その財産は以下の順番で相続されます。

・遺言で指定された人に相続される
・特別縁故者に相続される
・国庫に帰属する

・遺言で指定された人に相続される場合
被相続人が遺言を残していた場合、その遺言で相続人が指定されていれば、その人に相続されます。

・特別縁故者に相続される場合
被相続人と特別な縁故があった特別縁故者が、家庭裁判所に申し立てをして認められれば、財産を相続することができます。特別縁故者とは、被相続人の内縁の配偶者、生計を同じくしていた同居の親族、被相続人の扶養を受けていた者などが該当します。

・国庫に帰属する場合
遺言で指定された人や特別縁故者がいない場合は、その財産は国庫に帰属します。国庫に帰属した財産は、国が管理し、国庫の収入として使われます。ちなみに、最高裁判所によると、相続人がいないなどの理由で国庫に入る財産額が、2021年度は647億円と過去最高だった事がわかりました。身寄りのない「おひとり様」の増加や不動産価格の上昇も背景に、行き場のない財産は10年前の倍近くに増えております。

■相続人がいない場合の手続き

相続人がいない場合、相続財産管理人が選任されて、相続財産の管理や処分を行ないます。相続財産管理人は、家庭裁判所が選任します。

相続財産管理人は、まず遺言の有無を確認します。遺言があれば、その遺言に基づいて財産を相続人に分与します。遺言がない場合、特別縁故者がいれば、その人に財産を分与します。特別縁故者がいない場合は、その財産は国庫に帰属します。

■相続人がいない場合の注意点

相続人がいない場合、被相続人の債権者は、相続財産から債権の回収をすることができます。そのため、相続財産管理人は、債権者への対応も行なわなければなりません。
また、相続人がいない場合、相続税は課税されません。

■相続人がいない相続財産の例

相続人がいない相続財産の例としては、以下のようなものが挙げられます。

・一人っ子で、両親が他界している場合
・結婚をせず、独身で子供がいない場合
・親族が全員死亡している場合
・遺言を残さずに死亡した場合

■相続人がいない場合の対策

相続人がいないことを想定して、以下の対策をしておくとよいでしょう。

・遺言を作成して、財産を相続人に指定する
・特別縁故者が財産を相続できるように、家庭裁判所に申し立てをする
・相続財産を寄付する

■まとめ

相続人がいない場合、その財産は以下の順番で相続されます。

・遺言で指定された人に相続される
・特別縁故者に相続される
・国庫に帰属する

相続人がいない場合は、相続財産管理人が選任されて、相続財産の管理や処分を行ないます。相続財産管理人は、遺言の有無を確認した上で、遺言があればその遺言に基づいて財産を相続人に分与し、遺言がない場合や特別縁故者がいない場合は、その財産は国庫に帰属します。

法定相続人がいないことが分かっている場合には、遺産の全部、または一部をお世話になった人や興味関心のある団体、公益法人、NPO法人、学校法人、国立大学法人、その他の団体や機関などに財産を渡す遺言書を作成してみてはいかがでしょうか?
ご不明な点等ございましたら、当事務所までご相談下さい。

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