共有不動産のトラブルを避ける!その対策とは?
ひとつの不動産を複数人が所有する「共有不動産」。相続によって共有不動産になってしまうケースは少なくありません。
しかし、共有不動産は、相続トラブルに発展しやすいというデメリットがあります。
本記事では、共有不動産が招く相続トラブルの原因や具体的な事例、トラブルを避けるための方法について考えます。
■「共有不動産」とは?
共有不動産とは、ひとつの不動産を複数人が所有する形態の不動産です。
共有不動産には、以下の2つのケースがあります。
・複数人が共同で購入した不動産
・1人が所有していた不動産が、相続によって複数人に相続された不動産
■共有不動産のメリットは?
・複数人で所有することで、維持費や管理費を分担することができる
(維持費や修繕費、管理費等を複数人で分担できる)
・複数人で所有することで、不動産を有効活用することができる
(複数人で共有することで、大きな不動産を所有または運用ができる)
■共有不動産のデメリットは?
・共有者同士で意思疎通が必要なため、トラブルに発展する可能性がある
・共有者の同意がないと、不動産の売却や賃貸が難しい
・共有者の一方が亡くなった場合、相続人によって共有関係が複雑になる可能性がある
■トラブルになりやすい共有不動産とは?
共有不動産は、相続トラブルに発展しやすいというデメリットがあります。
共有不動産がトラブルになりやすい主な原因は、以下の2つです。
・共有者同士の意見が合わない
共有不動産を売却や賃貸する場合、共有者全員の同意が必要です。
しかし、共有者同士の意見が合わないと、不動産の処分が進まず、トラブルに発展する可能性があります。
共有不動産の売却は「共有不動産の変更・処分行為」にあたり、他の共有者全員の同意が必要になります。
共有不動産の賃貸借は「共有不動産の管理行為」にあたり、他の共有者の過半数の同意が必要です。
唯一、修繕などの「共有不動産の保存行為」については、各共有者が単独で行うことができます。
・共有者の一方が亡くなった場合
共有者の一方が亡くなった場合、その相続人が共有者になります。
共有者が増えると、共有関係が複雑になり、トラブルに発展しやすくなります。
相続人に兄弟の甥や姪など、複数かつ疎遠の共有者となると意思の疎通ができず、
共有状態のまま、不動産が放置される恐れがあります。
■共有状態のまま、不動産を放置すると…
共有不動産を放置すると、以下のリスクがあります。
・固定資産税や管理費などの支払いが滞る
・不動産が荒廃する
・共有者同士のトラブルに発展する
特に、共有不動産を相続した場合は、共有者同士の連絡先がわからない、
ある共有者が音信不通になっているなど、共有者の状況を把握するのが難しい場合があります。
このように、不動産の共有はデメリットのほうが大きいです。
出来る限り、単独所有にする事がトラブル防止の対策となります。
■共有不動産の「5つ」の解消方法
共有不動産のトラブルを解消するには、以下の5つの方法があります。
・共有者全員で話し合い、合意を形成する
共有不動産の売却や賃貸など、共有者全員の同意が必要な事項については、共有者全員で話し合い、合意を形成する必要があります。
・共有者の一方が持分を買い取る
共有者同士の意見が合わない場合は、共有者の一方が持分を買い取る方法もあります。
・自身の持ち分を放棄する
自身の持ち分を放棄する事で共有関係を解消できます。
・自身の持ち分を第三者に売却する
共有持ち分の買取を専門に行っている業者等へ売却する。
・裁判(共有物分割請求訴訟)を起こす
話し合いや合意形成が不可能な場合は、共有物分割請求訴訟を起こして共有関係を解消する方法もあります。
■まとめ
共有不動産のトラブルを避けるための対策としては、以下のようなものが挙げられます。
・共有不動産を売却して共有関係を解消する
共有者が複数になればなるほど、関係が希薄になります。
そのため共有者同士のトラブルや放置といった問題が起きてきます。
共有不動産を売却することで、共有者同士のトラブルを完全に解消することができます。
・共有不動産の管理や処分を専門家に依頼する
共有不動産の管理や処分について、専門家に依頼することを検討する。
専門家に依頼することで、共有者同士のトラブルを避けながら、
円滑に共有不動産を管理や処分することができます。
共有不動産は、共有者同士の意思疎通が不足していることが原因でトラブルが発生するケースが多いです。
相続人が複数いる場合は、あらかじめ「遺言書」を作成し共有にならないようにしておく。
共有不動産を相続した場合には、共有者同士の状況を把握し、
共有不動産の活用方法について話し合い、トラブルを未然に防ぐことが大切です。
共有不動産についてご不明な点などございましたら、当事務所までご相談下さい。